新しい「表彰制度」|トロフィー生活 |トロフィー博物館

表彰文化あれこれ

新しい「表彰制度」
投稿日:2016年03月11日

変化する表彰の形


表彰は、学校教育やスポーツをはじめ、多くの企業でも取り入れられているので、なじみの深い制度といえます。しかし、実際には制度がマンネリ化し、効果も上がらず表彰の意義を見出せないケースが多いのではないでしょうか。おまけに、制度自体に古臭いイメージもあるような……。これは、トロフィー生活スタッフとして見逃せません! 実は、表彰制度のあり方も変わって、社員のモチベーションを挙げ、会社の活性化につながる有効なツールとして「表彰」が再認識されてきているのです。ここでは、新しい表彰制度について考えていきます。

「特別」から「日常」へ


これまでの表彰制度というと、次に挙げたような一定の基準に達したり、特別に高い業績を挙げたりした社員やグループに対して、その功績を称賛する表彰が一般的でした。どの会社でも思い当たる表彰があるかと思います。

●永年勤続:一定年数以上の勤続社員に対する表彰
●定年退職:定年に到達した社員に対する表彰
●改善・提案:会社の事業に関する着想、改善意見を提案した社員・グループに対する表彰
●功績:業務効率、生産・販売成績の向上などで、著しい功績を上げた成績優秀な社員・グループに対する表彰
●職務発明・考案:新製品や新技術の開発、従来製品の改良など、業務上有益な発明考案や特許・意匠登録を申請した社員・グループに対する表彰
●善行:人命救助や社会奉仕などで公的機関から表彰を受けたり、ほか従業員の模範となったりするような行為のあった社員・グループに対する表彰
●災害時功労:事業所内での災害、盗難などに際して、人命救助・会社財産の保全などで顕著な働きをした社員・グループに対する表彰
●無事故・無災害:一定期間無事故、安全運転などで勤務実績の良好な社員・グループに対する表彰
●技能:優秀な技能を持つ社員・グループに対する表彰
●社名啓発:スポーツなどによって優秀な成績を上げ、会社の名誉となる功労をした社員・グループに対する表彰

[参考:労務行政研究所「表彰制度の最新実態」(2010年)]


しかし近年では、これとは違った視点で設けられた表彰があります。数値であったり、特別なことを選定基準にしたりするのではなく、社員の行動や成果のどの部分に注目するかがキーワードになっています。


誰でも対象になる表彰を


例えば、目立たないけれど地道な努力をしている、組織において縁の下の力持ち的な働きをしている社員・グループに対して、その姿勢を努力賞や奨励賞などで称賛する表彰があります。社員個人のモチベーションアップはもちろん、ほかの社員に対しても、隠れた努力や貢献に対して上司やトップの目が届いていることを示すことにつながります。

また、もっと気楽に「よくやっているね」「がんばっているね」「ありがとう」といった感謝の気持ちを、表彰という形にする取り組みもあります。日々のいい仕事、ちょっとした工夫、気配りなどを表彰するので、受賞対象者が広がるという利点もあります。特に表彰文化が浸透している欧米では、この表彰が多く取り入れられていて、誰でも会社のデスクに複数個の表彰品・記念品を飾っているという状況だそうです。職場の人間関係や雰囲気を和ませるといった効果も見逃せません。


人を認めて感謝することの大切さ


誰しも褒められて嫌な気分はしませんよね? 組織や集団に所属するそれぞれが何かしら役立つことをしているものです。人と人が認め合って感謝し合うことで、職場全体の雰囲気にも良い影響を与えた例はたくさんあります。特に努力賞や奨励賞、身近なちょっとしたことを認めて称える表彰は、金銭的な負担も少なく、取り入れやすくなっています。まずは、気楽な表彰から始めて、表彰制度の良さを再認識してみませんか。

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