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人々を笑わせ、そして考えさせるアワード

投稿日:2015年10月28日

29[イグノーベル賞トロフィー]

ノーベル賞のパロディー


今年(2015)のノーベル賞は、医学・生理学賞に続いて、物理学賞を日本人研究者が受賞し、日本人という共通項以外になんら関係ない私まで誇らしい気分になりました。こういう表彰系の話題は、受賞する本人や団体はもちろんでしょうけれど、周囲の人も高揚させる力を持っていますよね。そこで、もうちょっと気持ちが上がる情報です。実は、日本人研究者の活躍はこれだけではなかったのです。ノーベル賞のパロディーとして毎年行われているイグノーベル賞でも、選ばれていました。日本人が!

まず、イグノーベル賞について説明しますね。同賞は、「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して毎年10組に授与される賞で、1991年に創設されています。いわば、裏ノーベル賞みたいなものです。毎年数千という研究がノミネートされ、物理学、化学、平和、経済学、医学・生理学、文学など本家ノーベル賞でおなじみのカテゴリーのほか、公衆衛生学賞、心理学賞、昆虫学賞などその時々で追加されるカテゴリーの中から選ばれます。

ときには、世界の反対を押し切って水爆実験を強行したフランスのジャック・シラク大統領が「ヒロシマの50周年を記念し、太平洋上で核実験を行った」としてイグノーベル平和賞を授与するなど、皮肉や風刺を込めた選定もある異色のアワードです。

風変わりだけど、いたって真面目(たぶん…)


イグノーベル賞は、「笑わせて、考えさせる」という条件があるので、風変わりな研究が多く真偽を疑ってしまいますが、実際にはほとんどが真面目に行われた研究、業績になります。今年のテーマは「LIFE」で、「生物学賞:ニワトリに人工的しっぽをつけると恐竜のような歩き方になることを発見」、「診断医学賞:急性虫垂炎は道路の凸凹で痛みを感じるかどうかで診断できることを発見」、「生理学・昆虫学賞:体のどの部位が虫に刺されたときにもっとも痛いのか実証」などが受賞しました。どれも大真面目に学術的な証明をしたものばかり。意図していないのに面白いと受け止められた研究をした方たちです。たぶん……。

特に虫に刺されたときにどの部位が痛いのかを解明した研究者2人(共同受賞)は、被験者の人権を守る倫理規定(ヘルシンキ宣言)に抵触しないよう、なんと自らを被験者に選んだそうです。約150種類もの虫に刺されてみたり、ハチに刺されてみたり……、すごい研究魂。ちなみに、ハチに刺されたときにあまり痛くない場所は、上腕、頭頂部、つま先。もっとも痛い場所は、鼻の穴、上唇、陰部だそうです。どこも痛そうだけど……。勇気がいりますよねー。

医学賞に日本人が選ばれる!


日本人が選ばれたのは医学賞です。大阪府の開業医である木俣肇氏の研究で、「情熱的なキスの生物医学的な利益あるいは影響を研究するための実験」の功績が認められました。木俣氏はこの研究で、キスをするとアトピー性皮膚炎患者のアレルギー反応が弱まることを実証しています。試してみようという方に助言ですが、30分以上も熱烈にキスしないと効果がないみたいですよ。それにしても、実感できるくらいアレルギー反応が弱まるのかしら!? 自己責任にてお願いいたします。

ともかく、今年度はノーベル賞、イグノーベル賞とも日本勢が医学賞制覇です! ちなみに、日本人のイグノーベル賞受賞は9年連続だとのこと。若者の理系離れが話題になって久しいですが、この快挙を続けるべく後進の方もぜひ育ってほしいと思います。

適当に作られたトロフィーを見て思考する


イグノーベル賞の授賞式は、毎年10月にハーバード大学のサンダース・シアターで開催され、本家ノーベル賞受賞者を含む数百人の人々が出席する大々的なイベントです。結構、ちゃんとしています。ただ、なにせ“イグ”ノーベル賞なので、賞金もないに等しく、トロフィーさえ適当に作られたものになります。受賞者の旅費、滞在費は自己負担、式のスピーチでは用意された60秒の間に聴衆から笑いをとらないとならない制約があります。おまけに制限時間がくると、毎度お決まりの8歳の少女ミス・スウィーティー・プーが登場し「もうやめて、飽きちゃったわ!」と連呼し始めるので、受賞が光栄なことなのかどうなのかは意見が分かれますが……。

しかし、25年もの間、イグノーベル賞が多くの人たちに支持されてきた理由は、「笑える」だけではなく、そして「考えさせる」といった信念があるからではないでしょうか。適当に作られたトロフィーであっても、そうだからこそ、考えさせるのです。トロフィーは立派なものでなくても、十分にその役割を果たすことができます。こうした表彰の文化は、人々に考えさせる役割もあると改めて思いました。何もなければ、考えるどころか何も始まりません。

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